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HSDの4つのタイプ——全身型・末梢型・限局型・既往型

この記事でお伝えすること
  • HSDには4つのタイプがあります。違いは「体のどこがゆるいか」と「今もゆるいか」です
  • 「昔は柔らかかったが、今は硬い」人も対象に入ります(既往型)
  • どのタイプでも、症状があれば対処を考える対象になります

4つのタイプの見分け方

「全身だるいのに、どこが悪いのって聞かれると言葉に詰まる」「肩だけ、いつも外れそうになる」——自分の不調を説明しようとして、うまく言えなかったことはありませんか?

  • 全身型(gHSD)——全身の関節がゆるい。バイトン・スコアが年齢別の目安以上で、症状がある
  • 末梢型(pHSD)——手や足の末端の関節が中心にゆるく、症状がある
  • 限局型(lHSD)——肩だけ、ひざだけなど、特定の関節(群)がゆるく、その部位に症状がある
  • 既往型(hHSD)——昔はゆるかったが、今はスコアにあらわれない。それでも症状がある

どれも共通の条件は「症状があること」です。ゆるさの場所が違っても、 痛み・疲労・ケガの繰り返しに困っているなら、対処を考える対象になります[1]。

「昔は柔らかかった」が入っている理由

関節の可動域は年齢とともに狭くなります。でも、ゆるい関節を支え続けてきた 筋肉や関節への負担の歴史は、体に残ります。 「今は硬いから関係ない」とはならない——そのための分類が既往型です[1]。

ここまで読んで、「自分がどれか分からない」と思った方もいるかもしれません。それで普通なんです。きれいに1つに収まる人のほうが、むしろ少数派です。

タイプが分かると、何に役立つのか

ひとつは、医師に伝える言葉になること。「全身がゆるい」のか「肩だけ外れやすい」のかで、 診察の入口が変わります。もうひとつは、対策の場所が絞れること。 限局型なら守るべき関節がはっきりしますし、全身型ならエネルギー管理の比重が上がります。

タイプ別の「あるある」

  • 全身型——特定の関節の痛みより、全身の疲労が主役になりがち。「どこが悪いの?」と聞かれて答えに詰まる
  • 末梢型——字を書くと手が疲れる、ペットボトルが開けづらい、足首をよくひねる。手足の「小さな困りごと」が積み重なる
  • 限局型——肩が抜けそうになる、膝だけが不安定など、主役の関節がはっきりしている。その関節のかばい方で、ほかの場所が凝る
  • 既往型——「昔は開脚できた」「子どもの頃は体が柔らかいと言われた」。今はスコアに出ないのに、痛みや疲労だけが残っている

自分のタイプを考えるときのヒント

受診前に、次の3つをメモしておくと話が早くなります。 ①自己チェックの点数(何点だったか)、②症状のある場所(全身の疲労?特定の関節?)、 ③昔の自分(子どもの頃に柔らかかったか、よくケガをしたか)。 この3点セットが、タイプの見立ての材料になります。

タイプは、変わることがあります

年齢とともに可動域が狭くなり、全身型だった人が後年には既往型の形になることもあります。 タイプが変わっても、体の歴史が消えるわけではありません。 だからこそ「昔の自分」の情報には価値があります。捨てずに、受診メモに書き添えてください。

よくある質問

Q. 複数のタイプに当てはまる気がします。
それで普通です。タイプ分けはきれいに1つに収まるとは限らず、最終的な整理は医療機関での評価に任せて構いません。 自分で確定させる必要はなく、「全身も気になるが、特に右肩がつらい」のように、 当てはまる要素をそのままメモして受診時に伝えるのがいちばん役に立ちます。

Q. タイプによって深刻さは違いますか?
タイプは「ゆるさの場所」の分類であって、重症度の分類ではありません。 限局型でも生活への影響が大きい人はいますし、全身型でも付き合い方が定まって穏やかに暮らす人もいます。 深刻さを決めるのはタイプ名ではなく、症状と生活への影響です。

タイプの名前を覚える必要はありません。大事なのは「ゆるさには分布のパターンがあり、 自分の困りごとにも位置がある」と知っていることです。地図の中に自分の現在地がある—— それだけで、途方に暮れる感じはずいぶん減るものです。

「なんとなく不調」だったものに、分類という地図を重ねようとしているあなたは、すでに一歩抜け出しています。

この記事のまとめ

  • HSDは4タイプ:全身型(gHSD)・末梢型(pHSD)・限局型(lHSD)・既往型(hHSD)
  • 違いは「どこがゆるいか」「今もゆるいか」。共通の条件は症状があること
  • 「昔は柔らかかった」人の分類(既往型)があるのは、体の負担の歴史が残るから
  • タイプの見立ては、受診時に体を説明する言葉になり、対策の場所を絞る手がかりになる

タイプ分けは、自分にレッテルを貼るためのものではありません。 「全身の疲労が主役なのか、特定の関節が主役なのか」が分かると、 読むべき記事も、守るべき場所も、医師に伝えるべきことも絞れる——つまり、迷う時間が減ります。 チェックの点数と症状の場所をメモして、次の一冊ならぬ次のページへ進んでください。

出典
  1. The HMSA. HSD diagnostic criteria. https://www.hypermobility.org/hsddiagnostic-criteria
  2. The Ehlers-Danlos Society. Diagnostic Criteria. https://www.ehlers-danlos.com/diagnosis/