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立ちくらみが毎日ある——考えられる身体側の理由

この記事でお伝えすること
  • 立ち上がると血液は重力で下半身に移動します。その戻りが遅い体質があります
  • 関節過可動のある人には、立ちくらみなど自律神経の不調が多いことが研究で示されています
  • 失神する・日常に支障が出るレベルなら、受診してください。このページは目安です

立ち上がるたび、血液は足に落ちる

「また目の前が暗くなった」「貧血?気のせい?」「しゃがんだら負けな気がする」——毎日のそれを、我慢で乗り切っていませんか?

立ち上がった瞬間、血液は重力で下半身へ移動します。ふつうは血管がすばやく締まって血圧を保ちますが、 この応答がうまくいかないと、脳への血流が一時的に不足して目の前が暗くなります。 立ち上がると心拍数が過剰に上がるタイプには、POTS(体位性頻脈症候群)という名前がついています。

関節のゆるさとの関係

血管のまわりの支持組織も、関節の靭帯と同じ結合組織でできています。 そして英国の研究では、関節過可動のある人に自律神経の不調(起立時の症状を含む)が有意に多いことが示され、 過可動が自律神経症状と痛みをつなぐ位置にあると報告されました[1]。 「貧血気味なだけ」「寝不足のせい」で片づけてきた毎日の立ちくらみに、配管のつくりという別の説明があるかもしれません。

ここまで読んで、「病院に行くほどのことじゃない」と思った方もいるかもしれません。毎日起きているなら、それは立派な受診理由なんです。

生活でできる備え

  • ゆっくり立つ。立つ前に足首を動かす
  • 水分と塩分をこまめに(持病で制限がある人は医師に確認を)
  • 着圧ソックスで下半身の血液の停滞を減らす
  • 長時間の立ちっぱなしを避ける。しゃがむ・寄りかかるのは正当な防衛です

受診の目安

失神したことがある、毎日の生活に支障が出ている、動悸や胸の症状を伴う—— この場合は自己対処で粘らず、循環器内科などで相談してください。 「立ち上がると症状が出る」「心拍数が上がる」と具体的に伝えると、検査につながりやすくなります。

場面別の備え

朝——1日でいちばん血圧の立ち上げが重い時間です。枕元の水分、立つ前の足首運動、段階起床(横→座って1分→立つ)。 入浴——長風呂と熱いお湯は血管が開いて血圧が下がります。湯温はぬるめ、脱衣所に座れる場所を。 湯船から立つときが、1日で有数の危険ポイントです。ゆっくりと。 電車・人混み——立ちっぱなし+暑さの組み合わせは条件が悪い場面です。途中下車してベンチで座るのは、 負けではなく正しい運転判断です。 夏——汗で水分と塩分が同時に失われます。水だけでなく塩分も意識して補給を。

受診前の1週間、記録をつけてみる

「立ちくらみがあります」だけでは、診察で伝わる情報が少なすぎます。 1週間でいいので、メモを取ってみてください。①いつ(時間帯)、②どんな場面で(立ち上がった直後?入浴後?)、 ③どんな症状が(目の前が暗くなる?動悸?)、④どのくらい続いたか。 このメモがあるだけで、医師が検査を組み立てる材料になり、「様子を見ましょう」で終わる確率が下がります。

「立ちくらみ=貧血」と決めつけないで

立ちくらみというと貧血(鉄分不足)を思い浮かべる人が多く、実際に貧血でも似た症状が出ます。 ただ、原因が貧血なのか、血圧の調整の問題なのか、その両方なのかは、血液検査と起立試験をしないと区別がつきません。 「貧血だと思ってサプリを飲んでいたけど変わらない」という場合、調べる場所が違っていた可能性があります。 自己判断で対策を固定せず、受診で切り分けてもらうのが結局いちばんの近道です。

立ちくらみは「見た目に分からない症状」の代表格で、周囲に伝わりにくいのがつらいところです。 でも、しゃがむ・座る・途中下車するという対処は、誰の許可もいりません。 体からの信号に素早く応じる人は、軟弱なのではなく、運転が上手いのです。

家族や同僚に伝えておくなら、「立ちくらみ持ちなので、しゃがんでいたら少し待ってて」の一言で十分です。 倒れる前にしゃがむ人は、周囲にとっても安心な人です。先に言っておくことが、お互いの保険になります。

誰にも見えない症状と毎日付き合いながら、倒れないように動きを設計してきたあなたは、もう対処の達人です。あとは知識を味方につけるだけ。

この記事のまとめ

  • 立ちくらみは、立ち上がりの血圧調整が苦手な体質で起こりうる。気合いの問題ではない
  • 関節のゆるさと自律神経の不調の関連は、研究で示されている
  • 出やすい場面(朝・入浴・暑さ・人混み)を知れば、先回りの備えができる
  • 失神や生活への支障があるなら受診を。1週間の症状メモが診察を具体的にする

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もしかして自分もそうかも?と思った方は、まずは自分の関節のゆるさを確かめるところからチェックしてみてください。

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出典
  1. Csecs JLL, et al. Joint Hypermobility Links Neurodivergence to Dysautonomia and Pain. Front Psychiatry. 2022. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8847158/